退蔵院方丈襖絵プロジェクト Taizo-in Hojo Fusuma-e Painting Project

プロジェクトについて

既存の文化財を保全し、同時に新しい遺産を残すという新たなモデル

このプロジェクトは妙心寺退蔵院と京都造形芸術大学が共同して行い、文化財の保存と若手芸術家の育成を目的に、2013年秋までに無名の若手絵師が退蔵院方丈(本堂)の襖絵を描きあげるというものです。

現在、退蔵院には安土桃山時代の絵師狩野了慶によって描かれた国の重要文化財の襖絵が現存していますが、1600年代初頭に描かれたものなので損傷が激しく、普段は取り外して保管しています。

一般的には文化財を保有する寺社では、代わりに複製したものや何も描かれていない無地の襖を入れて保存しています。

しかし、この様な方法を採用してしまうと、後世に語り継がれていくような新たな文化財は生まれてきませんし、それを創り出す芸術家も現れません。

それを危惧した退蔵院は、文化財の代わりになる無地の襖に若手芸術家の手で新たに水墨画を描かせるという、これまでに例のない全く新しいプロジェクトを発足させました。

400年前、大きな寺社や各地の武将は専属の絵師を雇い彼らに襖絵を描かせていました。

彼らはそこに住み込み、修行に励みながら精神修養をし、多くの傑作を襖に描き後世に残してきました。

今回のプロジェクトでは当時と同じ手法を現代によみがえらせながら、今を生きる若い芸術家を育成し、芸術家として世界に羽ばたく最初の一歩の後押しをするという重要な意味があります。

また、既存の文化財を保全し、同時に新しい遺産を残すという新たなモデルを作り、京都を「芸術の都」としてさらに世界にアピールしていこうと考えているのです。

では、若手絵師はどのようにして選ばれたのでしょうか。

絵師としての条件

それは、若く才能がある人・京都にゆかりのある人・やりきる度胸がある人・宗教や文化を尊重できる人。

これらを応募条件として公募され、今年の3月に京都造形大学院卒の村林由貴さんがえらばれました。

村林さんは今まで少女漫画を基調とした絵画や、さまざまな展覧会に出品されるなど精力的に活動されている若手芸術家です。

2008年「AMUSE ARTJAM in Kyoto」グランプリ、「JEANS FACTORY ART AWARD 2008」 優秀賞、2009年「GALLERY RAKU 2010」 プロジェクト賞を受賞。

プロジェクトの今後

今後の活動としては、今夏までは禅の修行をこなしながら、水墨画を学び、今年の9月からは襖絵の制作に取り掛かっていきます。

絵師は400年前と同じように、完成予定の2013年秋まで寺に住み込み、日々修行を重ね禅への理解を深めながら襖絵制作を進めます。

今後は、拝観される皆様にも襖絵の制作活動の様子をまじかに見ていただく機会を作ろうと考えています。

後世に残っていく芸術がいかに作られていくのか。

皆様の目で直に見て、感じていただきたいと思っています。

どんな襖絵が出来あがるのか。

作品もさることながら、その過程もどうぞお楽しみに!

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