退蔵院方丈襖絵プロジェクト Taizo-in Hojo Fusuma-e Painting Project

【『こころのおみやげ』】

投稿:絵師 村林由貴

先日、東京にてマナトレーディング社の齋藤社長にお会いしてきました。
以前からずっとプロジェクトの応援、ご支援をいただいていて、やっとお目にかかることが叶いました。

機縁は、雑誌「ミセス」さんの掲載(2013年)を通じてのこと。
その後、齋藤社長の寛大なご厚意から、退蔵院を拝観されるお客様にお配りする小冊子『こころのおみやげ』の作成を全面的に支援くださっているのです。

その小冊子では、プロジェクトのこと、お寺のこと、関わる人たちの想いなどをご紹介いただいています。

6月25日。

齋藤社長は、お会いするなり本当に優しいお心で迎えてくださいました。

「私はね、常に、心が震えるような芸術に触れていたい、出会いたいなと願っているんです。」「最初は、プロジェクトへの興味本意だけで調べていきました。けれど、実際に松山副住職にお会いしたり、2013年の東京での展示を拝見したりするうちに、そこに含まれるたくさんの魅力にひかれていきました。そして私たちにお力になれることはないかと考えたのです。」「プロジェクトを通じて、皆さんに学ばせていただいています。ありがとうございます。」
齋藤社長のご人徳に、心あらわれる想いでした。

マナトレーディング社では、テキスタイルを中心としたインテリア素材を世界各国より輸入・開発、ご紹介をされています。その中にはウィリアム・モリスのデザインや思想を引き継ぎ伝えるデザインカーテンも。

そのひとつひとつも深く長い過程を経ていて、モリスが手掛けたデザインから、現代の社会生活に合う様に工夫したり、その為に元のデザインを彫り師が改めて版に起こし直したり、絵筆で描き直したり…。
そして(こちらは一般販売はされていませんが)、今もなお、モリスが行っていた手法と変わらぬやり方で、幾度も版を重ねて創られるテキスタイルの技術もちゃんと引き継いで存在しているんです。

「モリスは、芸術と仕事、そして日常生活の統合を理念に掲げていました。でも実際は、当時の技術や素材的にも大変高価で贅沢なもので、とても一般の方の生活には取入れられませんでした。でも今はこうして技術もあって、誰もがモリスのデザインを感じること、楽しむことができます。150年ほどの時を経て、やっと多くの方に届けられる機会が今やってきた。そんな風に思って私は仕事しています。」

「昔のやり方を続ける場所をわざわざ設けておくなんて、要領としては割に合いませんし、無くそうと思えばなくせますね。だけどやっぱり、こういう仕事がどこかでちゃんと続いて在るっていうだけで、何だかとても力になるでしょう?手に触れたらよく分かります。その重なりが、素敵ですよね。」

伝統と変化、芸術家や職人たちの志や理念といった方面でも、プロジェクトに共感を抱いて下さったそうです。

社長、マネージャーさんの笑顔がとっても輝いてみえました。
素敵な方々に支えられて、本当にありがたいです。

『こころのおみやげ』にはマナトレーディング社の美しい裏表紙。
多くの方の支えと重なりがあってこそ、自分があり、プロジェクトがあるのだと実感しています。

皆さんからの学びや心を糧に、益々頑張れます!!!^^

 

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