【再出発】
投稿: 絵師 村林由貴
2017年も残りわずか。
この一年も濃厚な時間でした。
春に投稿したブログでは、昨年絵が描けなくなった経験とそこから這い上がろうとする当時の自分を綴っていてー。
それから約8ヶ月。
スケッチや画仙紙、襖大のロール紙に図案を描きだし、練り直し、描いて、進んで、もっぺん描いて、悩んで、もう一度心をぎゅっと持ち直して、描いて…と、繰り返し奮闘していました。
「今日も全然あかんかった…」と落胆する日も沢山あったけれど、その度に「この悔しさは明日のプラス。絶対やったるねん。」と、しぶとい自分がメキメキ芽を伸ばしています。
*
退蔵院方丈の襖絵に立ち上げる世界。
そこには、これまで重ねてきた経験と想いのすべてを
『五輪』というテーマで映し出してゆく。
心と身体と絵と、まっすぐに表現したい。
そのためには、想像力をはじめ構想や構図、モチーフの表現に創造力、自然や人や自己との対話…などあらゆる力を漲らせ、描いて見つめて、描いて描いて近づいてゆくしかない。
絵とはなんて繊細で正直で厳しく寛大なのだろう。
確かな一歩は苦楽を越えて、いのち溢れる世界へと通じている。
そうやって襖絵着手へ向けて階段を登るのだ。
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さて、今日は最近描いた墨絵の写真を添えます。
この絵たちは襖絵の図案を描きだすのに煮詰まった際に、気分転換で描いたもの。
また筆と共に真っ白な世界を歩いたり走ったり、いのちを吹きこむ歓びを強く感じていることがとっても嬉しいです。
これも本当にたくさんの人の支えがあってのこと心より感謝しております。
皆さまどうぞよいお年をお迎えください*
来年もよろしくお願いいたします。
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・紙のサイズは1枚 34.5×136cm (書道用紙の半切)
▽写真は落款を押して乾かしているところ
▽それぞれのアップ写真。
(作品以外の色情報が多かったので、モノクロにしています。)