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投稿:絵師・村林由貴
四月となり、新年度が始まりましたね!
投稿とってもご無沙汰しておりました…> <。
たまには絵を…と思い、今回は自分の勉強のひとつとして描いてきた模写シリーズを一部ご紹介したいと思います*
高山寺に伝わる「鳥獣人物戯画 甲巻」を2013年の11月に2度模写し、
大徳寺真珠庵に伝わる「百鬼夜行絵巻・真珠庵本」を模写したのは…いつだったか…。
後方は色を塗って完成させてから日付を書こうと思ったまま、色塗りに飽きてしまいそのままにした為、いつ描いたのか忘れてしまいました。でも多分、2014年の夏くらいだったような…。
(忘れっぽいので、だめですね。;;)
この模写たちは、私が以前 “カエルたちを突如描きたくなる衝動” が起きた時と同じ感覚が訪れた時に、描き出したものです。それぞれ3・4日、没頭して筆を走らせたような気がします。
(また記憶が…笑;;)
とにかくちゃんと写し取ろうと描き始めて、辿ることで先人の凄みを痛感する。
「なんて想像なんだ!」「なんて線なんや!」「どうやってそうなったんですか。泣」と、
驚きやら発見やら悔しいやら。。
初めはどうしても同じようになりたいと求める訳ですが、いつしか ”写すこと” だけに集中して硬くなっている自分に気づき、なんだか “描かれるものの息吹” を忘れていってるような気がしました。あれ?私、かたちを写したかったんだっけ…?と。
少しずつ、カチコチの自分を解放することにする。冒険することにする。
蛙にうさぎに猿になり、妖怪に化けて、笑ったり駆けたり踊ったりする。
心を柔らかにたくしてしまう。(写真は描いた順番でUPしております)
まじめも大切。楽しむのも大切。
先人の凄さを辿れる悦びも、先人が描いた世界を旅する悦びも
私にとっては描くこと・学ぶことの幸せのひとつ。
そして筆を握った時、どんな時でも自由であるのは最も難しく、私には今最も必要なことだなぁと感じながら日々向かっています。
春を迎え花咲き香り新たな一年度が始まった今、真っ白〜い紙を飄々と駆けていく彼らを紹介させていただいたのはなんだか嬉しいです*
皆様にとっても、よき春でありますように*
▽「鳥獣人物戯画 甲巻 高野山蔵」の模写 1回目
▽「鳥獣人物戯画 甲巻 高野山蔵」の模写 2回目
▽「百鬼夜行絵巻・真珠庵本」の模写
<模写における参考資料>
・縮小絵巻物『国宝 鳥獣人物戯画 甲巻 高山寺蔵』便利堂.
・湯本豪一(2005)『百鬼夜行絵巻ー妖怪たちが騒ぎだす』(アートセレクション) 小学館.
投稿 : 絵師 村林由貴
みなさま
新年明けましておめでとうございます。
2015年ですね*
昨年も沢山の方にお世話になり、温かい気持ちに、メッセージに、沢山たくさん救われておりました。この場をお借りして感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
いったい、今年はどんな風に進んでゆくのか…!?
とにもかくにも恐れずに、動いて参りたいと思います!!!
みなさま本年も引き続き、よろしくお願い致します*
村林由貴 拝
投稿: 絵師 村林由貴
2014年12月27・28日。
この2日間はドキュメンタリー映像撮影チームが今年最後の撮影に来てくださいました!
作務や坐禅、年末大掃除。
そしてインタビューの時には、2011年4月から12月までの9ヶ月の間に庫裡内のお部屋に描かせていただいた練習画の襖絵20面を、一室に集め並べてお話しました。
久しぶりに、3年以上前に描いた作品たちを目の前にして。
荒削りな絵。どう描き出せばいいのかわからなかった自分。それでも「えいやっ!」と弱音虫を振り切り決心した気持ち。
何も分からず苦しかった時も、美しいものや人の心が、沢山たくさん心を癒してくれました。
下手くそだって、堂々とありのままに全力投球!その軌跡。
今、この襖絵たちに再会できたのが、とてもとてもよかった。
庫裡の改装に伴い、この絵たちは梱包してしばらくお蔵でおやすみします。
その前に、こうして藤岡さん・景山さんに記録していただいたり、「村林先生の大事な最初の作品やから、大切に保管させてもらいます」と仰ってくださるお寺の皆様に心から感謝しています。
今度再会する時には、新たな絵とともに並び、人としても進化した自分でありたい。
そう想いました。
写真は監督の藤岡さん・カメラマンの景山さんと*
(お二人には、襖絵完成まで追っていただく予定です!)
今年も大変お世話になりました!
(^ー^)
【襖絵完成の目標について】
投稿・絵師 村林由貴
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2016年・秋。
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襖絵完成の目標について、お知らせがあります。
先月、退蔵院副住職・松山大耕さんと話をして、
『この2年間で筆をとめることをMUSTにしよう』と決めました。
( 当初は2014年の秋を完成予定としていましたが、先に妙心寺内の塔頭・壽聖院 [通常非公開] の襖絵を描かせていただくこととなり [昨年・壽聖院の襖絵は完成] 、これから退蔵院の襖絵に取りかかる運びとなりました。
※近々、プロジェクトのこれまでの流れを要約して投稿致します。)
2年間で退蔵院方丈の襖絵64面を描ききる。
これは難題関門であることも重々承知で、本当は自分がその時そこに辿り着いているのかと考えると、言葉にするには恐れ多くて、緊張して…心臓がばくばくします。
でも、この2年は私にとって20代最後の2年間でもあって。
この区切りを目標とすることに、志を決めました。
何かの間違いだったのか、運命だったのか…分かりませんが、
どう考えても私には大き過ぎる役目なのに、この手に託して信じて支えて下さる方々に恵まれて、本当に有り難く幸せに想っております。
2016年・秋の完成を胸に、
学ぶ心尽きることなく・険しき山も諦めず・耕すことを怠らず、日日精進して参ります!!
完成を心待ちに応援してくださっているみなさま
どうぞ引き続き、プロジェクト共々よろしくお願い申し上げます。
【中国・桂林に行ってきました】
投稿:絵師 村林由貴
お久しぶりです*
今日の投稿は、最近の出来事として【桂林に行ったごと】と、
次の投稿にて、【襖絵完成の目標について】大切なお知らせをお伝えしたいと想います。
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桂林
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2014年11月6日。
私は中国・桂林へ行ってきました。
「桂林山水甲天下(桂林の山水は天下一)」。
“まるで水墨画の山水風景” とも言われる地。
その景色を自分が絵に描きたいというより何より、
“古人がどんな景勝の地を想い眺め描いたのか。”
この眼で見て、少しでも知りたいなと想いました。
山水風景を眺めゆく “漓江下り” では、桂林から陽朔までの83kmの道のりを約4時間半かけて船でゆっくりと進みました。
私が行った時は、小雨と中降りを繰り返す天気…!
雨風に立ち上がる霧は、山を覆ったり、離れてそれを讃えたり。
もしくは山が息深〜く吐き出した塊が、空中にほどけるようでした。
尖っている山、角張っている山、円みを帯びた山、穴の空いた山…。
日本にはない景色。
一山一山、表情様々に聳え立ち、連なったり抜きん出たりしたりしながら、粛々と在りました。
私の方は船の上で、風に折りたたみ傘がひっくり返ったり、ジーンズが雨でびしょびしょになったりしながらも、巡り会う景色に心はすっかり惚れ込み眺めておりました。
今まで山水画を観ても、「図」という枠から歩み寄れない感じがありましたが、今は以前より、そこに流れる空気や山肌を想起出来るような気がして、なんだかそれだけで幸せで…。
まずはそれだけでも、行って良かったなぁと心から想っています。
↑ 20元札の風景を背景に、現地ガイドさんに撮ってもらいました♪
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