【鳳凰圖】が奉納されました
投稿者:絵師 村林由貴
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令和3年1月27日
退蔵院の庫裏玄関に村林由貴筆の「鳳凰圖」(ほうおうず)が奉納されました。
(※通常非公開の庫裡玄関のため、一般の方へのお披露目はまだ行っておりません。)
玄関とは元々、『玄々たる関門』という意味を持つ。
この場所は、昔は庫裡でしたが、
今は玄関としての役割を果たしている処。
「そのような象徴的な場所に、ひとつのシンボルとなるような絵を入れて、禅寺の『関門』としての雰囲気が宿るなか、皆さまをお迎えしたい。」
松山大耕副住職のそうした思いから、
現在制作中の方丈襖絵との繋がりも加味して、私にご依頼いただきました。
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「鳳凰」は、
退蔵院の開基である波多野越前守の家紋としてゆかりがあり
永平寺の檀越でもある波多野氏の功績をたたえるとともに、
退蔵院の繁栄を願ったものとして。
また、鳳凰は天下泰平の世に降り立つ存在であることから
そのような世であることを祈念して。
本画題を受け取りました。
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退蔵院のこれまでの歴史、現在、そして未来においても
人々を見守り、天下泰平の世を願う存在としての「鳳凰」を想い描いています。
ともに生きる、強い意志も込めて。
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方丈の襖絵がすべて完成した暁には、
この鳳凰圖のある玄関から、襖絵と合わせてご覧いただける日が来ることを楽しみにしています。
引き続き、退蔵院方丈襖絵プロジェクト共々、よろしくお願いいたします。
◾️「鳳凰圖」村林由貴筆 / 約170×180cm / 雲肌麻紙に水墨